|
「賛成46、賛成の議決権行使書18、委任状提出と合わせ、出席議決件数の過半数となりましたので議決します」――広い会場に司会役の理事の声が響き渡る。この1カ月余り管理組合の争点だった「管理の見直し」に着手するため、専門知識を有するコンサル業者に業務補助を委託することが決まった瞬間である。規約に則って正当に議決されたのだからあとは粛々と実行に移せばいいが、それとは別に、事前説明会と総会に出席した私は、分譲から7年を経ようとするわがマンションの実態を見て、暗澹たる思いがした。
|
それは、(1)日々の暮らしに直結する「管理の見直し」に、理事会と協働するとはいえ、第三者のコンサル業者が介入して振り回されるリスクがあること、(2)管理費削減に成功した場合、1千万円を超える膨大な報酬がコンサル業者に対して支払われること、(3)誰もが賛成する管理費引き下げを前提に議論が始まり、行き着く先の大規模修繕計画と、それに要する修繕費用と基金の現状の検証、今後の見通しが全く示されないことに対し、住人の大半から何の意見も疑問も示さない事実が理解できなかったのだ。
|
全400戸のうち、3回開催された事前説明への出席者は延べ82人、総会への出席者83戸。総会への委任状提出は188戸だったが、スケジュールがやり繰りできなければ議決権行使書を提出して意思表示をすればいいわけで、「お任せ」「面倒くさい」が大方だろう。生体反応なしの100戸余りに至ってはマンションという「共同住宅」に暮らすことをどう考えているのか、全くもって噴飯ものである。「やばいね。このマンションは20年後、スラム化するんじゃないか」。総会から帰宅しての第一声。妻は「やはり田舎に戸建てか…」とつぶやく。修繕積立金負担が重くのしかかる事実が改めて判明したうえに、スラム化の危険性ありでは、メディアで注目された入居時の華々しさも「夢の昔話」だったのか。
|
 |