

2008年7月16日更新

副都心線は、明治通りの地下を走る、渋谷から池袋までの新設区間が注目されていますが、正確にいえば、渋谷から埼玉県の『和光市』駅までの計16駅を結ぶ路線。さらに、和光市で東武東上線、小竹向原で西武有楽町線、西武池袋線とそれぞれ相互直通運転を行っています。
したがって、埼玉県西南部、練馬区周辺にお住まいの方は、新宿、渋谷まで乗り換えナシの直通で行ける利便性を手に入れることになったわけです。実際、取材した6月15日(日)、『和光市』駅では、東武東上線ではなく、副都心線の券売機の前に長蛇の列ができていました。物珍しさもあって副都心線で出かけてみようということだったのでしょう。

ちなみに、平日朝の7時台にはほぼ15分に1本、8時台にはほぼ20分に1本、渋谷へ通勤急行が走っていて約30分で到着。なお、急行なら約25分、普通列車でも35分ですから、いずれにせよかなりクイックなアクセスです。
『和光市』駅から『要町』駅の住環境は、いずれも成熟した住宅街といった印象で、新築マンションの建設現場もちらほらと見かけることができました。暮らしやすそうな落ち着いた街並みに、新宿、渋谷方面へ直通の足まわりという魅力的な要素が加わったわけで、これから住宅市場がさらに活況を呈するのは確実でしょう。
山手線の外側エリアですから、副都心線の沿線全体で見ればまだ割安。いまが狙い目といえそうです。
池袋のひとつ隣の要町では、2007年12月に「地下の首都高」山手トンネルが西新宿ジャンクションまで開通済み。09年度中には大橋ジャンクションまで延伸して東名方面へつながりますから、クルマでの移動が便利になることも見逃せません。


ところで、今回の副都心線開通で、最も割に合わなかった街は池袋? というハナシがあります。というのは、和光市〜要町沿線の住人の目が「池袋を通り越して、副都心線で直通になった新宿や明治神宮前、渋谷方面へ向いてしまったのでは?」という推測があるため。池袋は“素通り"されてしまうかもしれない・・・そんな危機感が生まれたのだとか。
そこで、副都心線開業直後の6月14日(土)・15日(日)には、池袋で長年ライバル関係にある東武百貨店と西武百貨店が共同戦線を張って、開業記念のキャンペーンが展開されました。今後、大きなバーゲンなどが開催される可能性もありますから、住人にとっては買い物の選択肢が広がり、より暮らしやすさが増すかもしれません。
隣の『雑司が谷』駅は、これまで公共の電車は都電荒川線しかなかった場所。副都心線開通で地元商店街の期待も膨らんでいるようで、鬼子母神の参道には垂れ幕もかかっていました。
目白方面にかけて新築マンションも供給されているとはいえ、昭和にタイムスリップしたようなひなびた街並みも健在。池袋サンシャインビル、新宿の高層ビル群が見えるくらいの位置にありながら、独特のレトロな雰囲気も色濃く残っているのは、雑司が谷ならではの魅力でしょう。



都営大江戸線が連絡する『東新宿』駅の周りは、一転してパワフルなコリアンパワーでいっぱい! 韓流スターのグッズショップには、ヨン様ファンらしきおばさんが大挙していましたし、韓国料理の店からは食欲を刺激するトウガラシやニンニクの臭いが漂います。ここも西早稲田同様、明治通りの西側は古くからの住宅街。中・小規模の新築マンションも点在しています。

雑司が谷の隣でこちらも新駅の『西早稲田』駅周辺は、早稲田大学理工学部のほか、学習院大学、都立戸山高校などがすぐそばにあるため学生の姿が多く、若々しい印象がある街です。ただ、明治通りから西側に降りていくと都営団地や一戸建てが並ぶ静かな住宅街に変貌。住宅街に隣接している戸山公園は、地元の親子連れや老夫婦が連れ立って散歩していて、のどかな雰囲気でした。
新宿三丁目は、丸井、伊勢丹、高島屋など大規模デパートが集中する、東京有数のデパート激戦区。ライバル関係にあるそれらの店舗を、副都心線の『新宿三丁目』駅の地下コンコースが一直線に結んでいます。6月15日(日)には、そこをたくさんの家族連れやカップルが歩いていました。新宿に新たな買い物客のメインストリームが生まれたという印象です。


新駅で、明治神宮の北側の参道に近い『北参道』駅から明治神宮にかけては、セコム本社隣の「神宮前一丁目民活再生プロジェクト」が注目されています。09年度の完成を目指し、約2.4haの広大な敷地で複合再開発が行われているのです。
さて、このプロジェクト、他と違ってちょっとユニーク。というのは、商業施設、全380戸の大規模マンションに加えて、原宿警察署と職員宿舎も併設(しかも、約300人収容の拘置所まで!)されるのです。

明治神宮前、原宿、そして表参道と日本の流行が発信されるエリアで地価もかなり高額ですから、マンションの価格もそれなりになりそう・・・なのですが、実はこの物件、50年間の定期借地権付き。ある程度購入しやすい設定になることが予想されます。しかも、警察署が至近ということの安心感。いろいろな意味で魅力的な、話題を集めるマンションになりそうです。
そして、終点の渋谷。トピックスは12年度中を目処に、東急東横線と副都心線が相互乗り入れを開始する予定です。完成すれば、JRの湘南新宿ラインに続いて、埼玉県から東京、横浜方面を結ぶ一大路線が出現することになります。首都圏の人の流れが、また大きく変わりそうですね。



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