若い世代になると「お財布を忘れても携帯電話は手放さない」といわれるくらい、今やモバイル機器は必需品。携帯電話自体がお財布代わりになり、さまざまな多機能が付加されています。マンションも例外ではありません。メールで非常事態を知らせたり、家電をリモート操作できたり。モバイル機器とマンションの密接な関係を紹介します。
2000年以降、モバイル機器の発達で
ホーム・オートメーションやセキュリティに新サービスが登場
20年以上前でしょうか。「エアコンのスイッチを遠隔操作でオン/オフできる」ことを謳い文句にしたワンルームマンションが登場しました。でも、当時はまだ携帯電話もインターネットもなく、プッシュホン回線を利用したもので使い勝手がよくなかったせいか、ほとんど普及しませんでした。
「リモート操作で暮らしを便利にする」という発想は昔からあったのですが、設備機器の技術レベルやインターフェイスが着いていかなかったといえるでしょう。
1990年代以降、ホーム・オートメーション(Home Automation:以下「HA」)の技術も進みましたが、当初は、家庭内のセキュリティ機器と警備保障会社とオンラインで結び、緊急時の対応をするというのがメインでした。
その後、2000年以降の携帯電話・住宅設備・家電などの飛躍的な進化を経て、HAとセキュリティが融合したさまざまなサービスがスタートしています。その中で、マンションに搭載されている代表的な2例について紹介しましょう。
セキュリティと生活便利サービスが一体になった
「エミット・マンションシステム」
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図1.「エミット・マンションシステム」の主な機能
パーソナル
セキュリティ |
警報メール通知[防犯・防災] |
| 住戸電気錠戸締まり確認/施錠 |
| 玄関戸締まり確認・メール通知 |
| 防犯警戒のセット/リセット |
| 住戸内カメラモニター(オプション) |
生活便利
サービス |
来客録画・メール通知 |
| 宅配ボックス着荷通知 |
| ID認識帰宅通知 |
| ネットリモコン[HA端子付機器、照明のON/OFF](オプション) |
気がかり解消
サービス |
住戸内ワイヤレス通知(在宅家族の緊急時にワイヤレス発信器からメール通知) |
その他、マンション管理業務支援サービスなどもある
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まず初めは、この種のシステムの先駆け、2004年3月からサービスを開始したパナソニック電工(当時・松下電工)の「エミット・マンションシステム」。当初からHAの便利機能に加えて、携帯電話などのモバイル機器を活用したセキュリティ・サービスが融合されていました。
同システムの主な機能とサービス内容は図1の通り。
たとえば、外出してから「あれ、家のカギをかけわすれてなかったかな?」と心配になることは珍しくありませんね。そんなとき、携帯電話で戸締まりの状況を確認して、もしカギをかけ忘れていたらリモート操作で施錠もできます。あるいは、住戸内に設置されたセンサーが、空き巣の侵入や火災・ガス漏れなどの異常を感知したらメールで通知。
「エミット・マンションシステム」の「住戸電気錠戸締まり確認/施錠」機能の操作イメージ(パナソニック電工提供)
留守中に来客があっても、マンションのエントランスロビーにあるインターホンに映った姿を録画して知らせてくれます。さらにネットリモコン機能では、エアコンや照明器具のスイッチをリモート操作でオン/オフすることも可能。自宅についた頃には“夏涼しく、冬暖かい”住まいが迎えてくれるというわけ。
また、家に残してきたペットの様子をモニターで確認したり、家にいるお年寄りや病人の緊急時にワイヤレス発信器を押すだけで携帯電話や管理会社に通知してくれたり。気がかりや心配事があっても、外出先から携帯電話を使えば何でも「安心」に変えられるという優れモノです。
「エミット・マンションシステム」の「ネットリモコン[HA端子付機器]」機能の操作イメージ(パナソニック電工提供)
06年8月には、機能やサービスメニューが強化されたバージョン2がスタート。ネットリモコンの接続可能機器の数が合計4台から12台に増え、サービス機能も追加されるなど、ますます進化しています。
HAとセキュリティの遠隔操作に加え
ガスの安全確認も手軽にできる「リモート・プラス」
「リモート・プラス」の操作画面イメージ(東京ガス提供)
続いては、東京ガスの「リモート・プラス」。こちらは04年4月からTES(東京ガス温水システム)を中心にしたHAサービスとしてスタートしました。お風呂や床暖房のスイッチをモバイル機器からオン/オフできるのが基本サービス。冬場は、帰宅してすぐにお風呂に入れるのもありがたい機能でしょう。エアコンや照明のスイッチもリモート操作できます。
「特に、外出先で気になる床暖房やエアコンなどの消し忘れを確認してスイッチをオフにできたり、帰宅する前にあらかじめスイッチをオンにできる機能が便利だと好評です。また照明のオン/オフは、シングル女性向けのマンションなどに多く採用されていますね。帰宅が遅くなるときや不在が続くときでも在宅を装うことができるため、防犯対策にも有効ですから」(同社リビング法人営業本部・集合住宅営業グループの担当者)
またガス会社ならではの機能といえば「ガス安心サービス」。たとえば、ガスの消し忘れを携帯電話で確認してリモート操作でガス遮断することができるので安心ですね。「リモートモニタリング」という機能もあります。東京ガスのガス監視センターと通信でつながっているため、24時間・365日ガスの利用状況を遠隔監視すると同時に、毎日使う風呂や給湯をまかなうTESシステムの故障もいち早く通信でキャッチして連絡してくれます。メンテナンスや修理がスムーズにできるので便利です。
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図2.「リモート・プラス」の主な機能
| 遠隔操作 サービス |
TES・風呂[オートバスのON] |
| TES・床暖房[ON/OFF、運転状況確認] |
| 電気エアコン[ON/OFF](オプション) |
| 照明[ON/OFF](オプション) |
| 電気錠[確認/施錠](オプション) |
| ガス安心サービス |
消し忘れのメール確認・ガス遠隔遮断 |
| 自動通報(点けっぱなし等、異常の通知) |
| 自動検針 |
| インタホン連動サービス |
留守中来客、宅配ボックス着荷メール通知 |
| 警報メール通知[防犯・防災・非常時] |
| 遠隔防犯セット(防犯設定のON/OFF) |
その他、TESの遠隔監視とメンテナンス対応などもある
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そして07年秋からは、アイホン製のインターホンシステムと連動する形で、モバイル・セキュリティ機能が追加されました。防犯・防災・非常時警報などの外出先の家族への一斉通知、外出時に子どもが先に帰宅したときなどにメールで知らせてくれる帰宅通知なども利用できます(図2参照)。同機能を含めた「リモート・プラス」の採用実績は、08年11月現在で、約60物件・約1万戸に達します。
「今後、エネルギーの無駄遣いを減らせる『省エネナビシステム』や『省エネコントロール』機能の追加や、簡単な機器故障などを通信による遠隔操作で修理できる『リモートメンテナンス』への発展を進める予定です」(同前)
「リモート・プラス」のシステム構成の例(東京ガス提供)
まだまだ進化は止まらないようです。ちなみにリモート操作は、携帯電話だけでなく、インターネットに接続できるパソコンからも可能です(操作対象のエアコン、照明器具などには一定の条件がある)。また、パナソニック電工や東京ガス以外にも、ドコモ・システムズの「留守モード」など同種のシステムがあります。マンションと携帯電話を初めとするモバイル機器との関係は、今後ますます密接になるのではないでしょうか。
最後に、これらのシステムを採用している物件の例を下記に示しておきますので、参考にしてください。
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図3.モバイル活用のHA+セキュリティ・システムが採用されている新築物件の例
| システム |
物件名(ブランド名) |
パナソニック電工
「エミット・マンションシステム」 |
BELISTA椎名町 |
| BELISTA品川中延 |
| BELISTA星ヶ丘 |
| アデニウム和光 |
| アデニウム川越南大塚 |
| アデニウム田端 |
| アデニウム船堀グランプリエ・グランヴェール |
| アデニウム西葛西 |
| レジデンス梅田ローレルタワー |
| ローレルタワー梅田 |
| ライオンズ桜山レジデンス |
東京ガス
「リモート・プラス」 |
シティタワーズ豊洲 ザ・ツイン |
| シティタワー麻布十番 |
| シティタワー池袋ウエストゲート |
| シティハウス東大井 |
| グランドヒルズ三軒茶屋 HILL TOP GARDEN |
| WORLD CITY TOWERS(ワールド シティ タワーズ) |
| パークタワー池袋イーストプレイス |
| ドレッセ美しの森シルフィーノ |
| レコシティTOKYO(リ・トーキョー・プロジェクト) |
| アデニウム入谷ステーションファースト |
| BELISTA新御徒町プレシャスステージ |
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